古代中国で生まれ、暦や時刻を数えるために使われてきた十二支の1つである戌年は、11番目に当たり、西暦で言うと主に1934年、1946年、1958年、1970年、1982年、1994年、2006年、2018年が戌年に当たります。
戌＝犬は遠くに行ってもきちんと家に帰って来ることや、どこに行ってもえさをもらえることから「無事に帰る」という意味や「食べ物に困らない」という意味を持っています。また、「戌の日参り」があることで、安産の象徴であることもよく知られています。
本日はそんな戌年の由来や今までの戌年の出来事、そして戌年に生まれた人の性格や金運、恋愛運などの運勢、そして相性の良い・悪い十二支についてもご紹介していきます。
目次
戌年の歴史と由来は？
戌年の戌という字は、「戉（まさかり）」が基になって作られた漢字です。金太郎が抱えている、木を切るための「鉞（まさかり）の意味や、草木が狩れているさまを示す意味があると言われています。そのため、戌はちょうど秋の終わり頃、つまり「ほかの草木が枯れた後に、収穫時期を迎えた作物を刈り取る時期」と考えられています。
また、戌＝犬はどこに行ってもえさをもらえることから「豊穣」を象徴するとも言われ、二重に恩恵に預かれる印象です。そして犬は鋭い嗅覚と帰巣本能を持って、どんなに遠くに行っても帰ってくることから「無事に帰る」「迷わない」という意味も持っています。
さらに、犬は安産で一度に多くの子どもを産むことから、安産や子宝の象徴としても大切にされており、安産を願って行う「戌の日参り」は現代にも受け継がれています。
戌年はどんな年になる？
戌年は秋の終わり頃、「収穫の時期を迎えた作物を刈り取る時期」を示すと考えられています。そのため、戌年は収穫の年、そして大きなことをやり遂げた後のひと段落の年になると言われています。
作物が無事に実るのは、今までずっとお世話をして頑張ってきた証拠です。その収穫を終えた満足感を味わいつつ、さてここからどうしていこうか、と今後をゆっくり思案するタイミングとなることが多いでしょう。
また、同時に戌＝犬が持つ「豊穣」「子宝」から、世界的に見ても人類に大きな喜びを与えるような成功がもたらされたり、新たな喜びの種がどんどんと生み出されて行く年になったりするとも言われています。過去を振り返ってみても、世界的に有名な出来事や歴史に残る出来事、そして明るい未来をほうふつとさせるようなスタートとなる出来事が多く起こっている印象です。
戌年（いぬどし）の生まれ年は？
これまでの戌年（いぬどし）の西暦は以下となります。ここでは少し先の年までまとめていきましょう。
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1886年(明治19年) 1898年(明治31年) 1910年(明治43年) 1922年(大正11年) 1934年(昭和9年) 1946年(昭和21年) 1958年(昭和33年) 1970年(昭和45年) 1982年(昭和57年) 1994年(平成6年) 2006年(平成18年) 2018年(平成30年) 2030年(令和12年) 2042年(令和24年) |
これまでに戌年（いぬどし）にはどんなことが起きた？
「豊穣」「成長」「繁殖」をキーワードに、今まで頑張ってきた成果を得られると言われる戌年に起きたことを振り返ってみましょう。
まず、1934年には日本初のプロ野球チームが創立されています。そして、今でも待ち合わせ場所として活躍している「ハチ公」の像が設置されたのもこの年です。
1946年には私たちの国の憲法で、世界一の長寿憲法と言われている「日本国憲法」が公布されました。
1958年には私たちになじみ深いチキンラーメンが発売されました。同じく日本国民に親しみ深い東京タワーが公開されたのも同年です。
1970年には日本万国博覧会（大阪万博）が開催され、トミーが「トミカ」を発売しました。
1982年には東北新幹線・上越新幹線が開業し、当時は画期的で、懸賞の商品などにも活用されたテレホンカードが使用開始となりました。
1994年には日本人初の女性宇宙飛行士、向井千秋さんが宇宙へ飛び立った年でもあります。初の黒人大統領となったマンデラ氏が就任したのも戌年でした。
2006年には、トリノ冬季オリンピックでフィギュアスケートの荒川静香さんが金メダルを獲得し、「イナバウアー」が流行語にもなりました。
2018年には1876年以来初の成人年齢見直し・変更が行われ「18歳成人」改正民法が成立したことが記憶に新しいですね。
また、今日本のみならず世界をけん引しているSONYは1958年に、SHARPは1970年に現在の社名に変更し、世界進出を果たしました。まさに戌年の恩恵を受けていると思われる大躍進です。
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戌年（いぬどし）の基本性格と特徴
戌年（いぬどし）の人は、正義感が強く、真面目でとても正直な人です。
理不尽なことには断固として立ち向かっていく強さを持ち、何事も白黒つけないと気が済まないところがあります。「それはおかしい」と詰め寄られると怖い相手ですが、もともと根は優しく、お世話好きなのも戌年の特徴です。
また、愛情深く、ややおせっかいなくらいに一生懸命人の面倒を見てあげようとします。それは心配性なことにも起因しています。取り越し苦労が多く、最悪の事態を想定して疲れ果ててしまうこともあります。しかし、その心配している気持ちをなかなか素直に出せず、悶々とすることもしばしば。
他人に心を許すまでに少し時間がかかり、思っていることを素直に言えないところがあるのも、戌年の特徴と言えます。しかし、心を開けばとことん一途に深い愛情を注ぎ続けます。
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戌年（いぬどし）の恋愛傾向
戌年（いぬどし）の人は人に優しく、人懐こいのですが、恋愛になるとぐんと奥手になります。好きな人、気になる人ほど「嫌われたくない」と思うあまりにアプローチができません。
そのため、じっくりと相手の様子を観察しながら、大丈夫そうと確信できれば思い切ったアプローチに出ることもあります。忍耐強さを持っているので、チャンスをじっくりと待つこともできます。
もともととても愛情深くお世話好きなので、想いが通じれば愛する人に対して一途に想いを貫きます。浮気の心配などはまずないので、想いが成就した相手とそのままゴールインすることも多いでしょう。
自分が真面目で心配性のため、明るく元気で楽観的な人や、自分を癒し、励ましてくれるような人を好みます。一次的な感情に揺れ動かず、じっくりと相手を見極めるので、恋愛経験はあまり多くならない傾向があります。
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戌年（いぬどし）男性の特徴は？
戌年（いぬどし）の男性は、責任感が強く、義理人情をとても大切にします。
一度深い関係を築けば、一生懸命に尽くしますし、途中で放棄するようなことはせず、何でも最後までやり遂げます。じっくり向き合って着実な成果を上げていく大器晩成型と言えるでしょう。
白黒つけないと気が済まない性質ながら、優しすぎるがゆえにどちらかを選ぶことができず、思いがけず優柔不断な態度になって自己嫌悪に陥ることもあります。
そして、恋人に対しては一途に尽くします。生真面目な性格から、一見頼りがいがあり強そうに見えますが、案外と甘えん坊な面を持っています。そのため、時にはたっぷり甘えさせてくれるような自立した女性を好む傾向があります。
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戌年（いぬどし）女性の特徴は？
戌年（いぬどし）の女性は、いつも優しく微笑んでいますが、実はその本心は誰も知らないという状態になりやすいです。
何を考えているかよくわからないと思われる、ミステリアスな部分も持ち合わせています。それは本音をなかなか表に出せないからですが、それを上手に建前で覆い隠して余裕な雰囲気を醸し出しています。
警戒心が人一倍強いため、簡単に恋愛に落ちることはありませんし、お付き合いに至るまでにもかなり時間がかかるタイプです。出会いの場にも積極的には出ていきません。そのため、仲間、友人という関係でお互いを知り合った相手に心を開き、恋心を抱くことが多くなります。包容力があり、自分を優しく受けいれてくれる人に出会えば、一途にその愛を貫きます。
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戌年（いぬどし）の人に備わる仕事運や適職は？
戌年（いぬどし）の人の仕事運は、人とかかわることによって上昇していく傾向があります。
元来大器晩成型で、じっくり時間をかけて頭角を現していきます。そして、そのためには多くの人たちにその努力や頑張り、才能を認めてもらい、引き立ててもらうことがとても大切です。気持ちを表現するのが苦手な戌年ですが、そうやって人とのかかわりを持つ中で学ぶことが多くあります。
そんな戌年（いぬどし）の適職は、秘書などのサポート役が適任です。コツコツとした作業が得意なので、下準備はお手の物です。また、面倒見がよく、人に愛される性質を持っているために介護や教育など、人を助けることをメインに行っていく職業に就くと自分の成長も促すことができるでしょう。
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戌年（いぬどし）生まれの金運は？
戌年（いぬどし）の人の金運は、しっかり計画を立ててお金に向き合うことで上昇します。
もともとが真面目で堅実を好む性質のため、無駄遣いや浪費に興味を持ちません。しかし、必要なところ、気に入ったものには出費を惜しまないところも見受けられます。毎月いくら貯める、いつまでにいくら貯める、と計画し、その通りにしていけば多少お金を使っても尽きることはありません。
そんな戌年（いぬどし）が財を増やす方法は、常に次の計画を立てながら貯めていくことです。1つクリアしたら次、次と新たな貯蓄計画を立てていくことにより、モチベーションが下がることなく、また、無理に何もかもを我慢することなく貯蓄を増やしていけるでしょう。
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戌年（いぬどし）の人と相性の良い十二支は？
戌年と相性が良い十二支は寅年、午年、卯年の3種です。
■戌年と寅年の相性
サポートが上手な戌年と、リーダーシップがある寅年は、パートナーとなるためにあるような関係です。
警戒心が強く本心を明かせない戌年ですが、寅年のまっすぐで裏表のない性質の前ではすぐに心を許すことができ、強い結びつきを見せます。
特に仕事などにおいては、他人に優しすぎて時に優柔不断になってしまう戌年を、スピーディーに正しい道を選択できる寅年が助けるなどして、同じ目標に向かって力強く走っていくことができます。
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■戌年と午年の相性
誠実で慎重派な戌年と、情熱的でパワフルな午年は一見相反するように見えますが、社交的な部分や目標に向かって頑張り続けられる性質はよく似ています。
そして違いがぶつかることなく、お互いに尊重できるので、同じ目標を持つことができれば粘り強く成功まで走り抜けていくことができます。
迷った時は午年にかじ取りを任せると良い方向に導いてくれるでしょう。できるだけたくさんのコミュニケーションを取ることが理解を深めます。
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■戌年と卯年の相性
社交的で面倒見の良い戌年と、同じく社交的で和を大切にする卯年は、穏やかさに満ちた関係を築くことができます。
心を開くまでに時間がかかる戌年ですが、せかすことなくおっとりしている卯年の前では自然体でいられることが多いでしょう。また、やや不安症でストレスを抱えやすい戌年を癒してくれるのは卯年の優しさです。
卯年もまた戌年の誠実で信頼のおけるところに惹かれます。周囲からみていてほっこりする穏やかな関係を築ける2人です。
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戌年（いぬどし）の人と相性の悪い十二支は？
戌年と相性の悪い十二支は酉年、未年、辰年の3種です。
■戌年と酉年の相性
自分がこう、と思ったら頑固な戌年と、妥協を許さない酉年はお互いの考え方や価値観の異なる部分がどうしても受け入れられません。
面倒見がよい部分はよく似ているのですが、そこも価値観のすれ違いでぶつかり、何だかギクシャクしてしまいます。一生懸命コミュニケーションを取っても、深い溝を埋めることができません。
戌年が心を広く持ち、酉年を包み込むような気持ちを持つと比較的穏やかにお付き合いをしていけるでしょう。
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■戌年と未年の相性
戌年と未年は、どちらも一見穏やかで人当たりが良いのですが、戌年の思い込んだらどこまでも一途な部分と、未年の譲れないことに関してはとことん頑固な部分が何かと衝突してしまいます。
また、真面目で白黒つけたい戌年と、いろんな人に穏やかに接して八方美人気味に見える未年は、近づけば近づくほどに違和感が生まれます。
どちらも自分の主張を簡単に譲れないので、ぶつからないように最初から適度な距離を保つのが得策です。
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■戌年と辰年の相性
お世話が大好きな戌年と、1人でいたい時間がある辰年は、タイミングがずれると一緒にいるだけでイライラしてしまいます。
正反対の気質を持っているため、とても惹かれやすいのですが、磁石のNとSのようなタイミング、NとNのようなタイミングがあるために強く反発したり、仲良くなったりを繰り返して落ち着きません。
無意識に相手の運気を下げてしまいやすい流れも持っているので、様子を見つつ慎重に距離を詰めていく必要のある、難しい関係です。
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まとめ
ここまで戌年について、様々な観点から解説してきました。
戌年は「物事が成熟する収穫の年」で、新たな転換期となる年になります。そして、戌年の人は人懐っこい印象を与えるだけでなく、自身も溢れんばかりの優しさを持ちます。大きな優しさの心を持つ分、傷ついたり、ストレスをためてしまうことも多いので、適度にストレスの発散を心がけると良いでしょう。
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